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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
清人は右腕の火傷の跡の上を繰り返しキスし、胸の方にも唇を優しくあてた。
花憐はそんなことしなくていいのだと逃げようとするが、清人は離さなかった。

「君が自分の体を愛せないというなら、俺が君の分も愛そう」
「無理です。そんなこと・・・・。あなただって、本当は・・・・」
「では君は、俺が同じような傷を負っていたら、俺を見放していくんだな?」

言われて花憐はハッとした。
清人の体にたとえどんな大きな傷跡があっても、それが原因で見放すことなどするはずがなかった。

「そんな・・・・そんなはず、ありません・・・・!」
「それなら俺も同じことだ」
「でも・・・・」

清人は花憐の体をぎゅ・・・と抱きしめた。

「確かに、女性の方が傷を負った辛さは大きいと思う。君自身が自分の体を呪うのも無理はない。だからといって俺が君を愛さない理由にはならない」
「清人さん・・・・」
「家に帰って、君の姿がなくて・・・・。胸が張り裂けそうだった。君を失うことがどんなに恐ろしいことか、はっきりわかったよ・・・・」

清人の苦しげな声に、花憐の胸が熱くなる。
花憐も腕に力をこめて、清人の体を抱きしめた。

「君に対して怒ってたんじゃない。君が俺を必要としている時に、どうしてそばにいて
あげられなかったんだって腹が立ったんだ。あの男に・・・・嫉妬したんだ」

清人は花憐の額に自分の額を合わせ、鼻先で花憐の鼻を優しくこすった。

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