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明日に架ける橋
第3章 罪と赦し
清人は男が傷に気を取られた一瞬の隙を見て飛び掛った。
激しい殴り合いが始まり、肉体を打つ生々しい音が響く。
清人の方が背は高いものの、重量では圧倒的に負けていた。
男は清人に馬乗りになって容赦なく清人の顔を殴りつける。
花憐は男から解放され、息を整える間もなく、割れた窓ガラスの破片をしばられた右手でなんとか拾い、清人を殴ることに夢中になっている男の背中に突き刺した。
「ぐぁ・・・・ッッ!!」
男は背中を強く打たれて、床に倒れのた打ち回った。
「清人さん!!」
花憐は清人に駆け寄り、抱きついた。
口の中が切れ、血が滴り落ちている。
花憐は涙を流して清人を抱き寄せた。
「清人さん・・・!ごめんなさい・・・。ああ、どうしてこんな・・・・・」
男が呻きながらゆらりと立ち上がった。
「冗談じゃねぇ。安い金でなんでここまでされなきゃなんねーんだ!」
男の顔は怒りで歪んでいた。
清人が花憐を自分の後ろに隠すようにしてガードした。
男が二人に詰め寄ろうと、一歩を踏み出した時・・・・。
黒い影が窓から入ったかと思うと、男は床に叩きつけられるように大きな音を立てて倒れこんだ。
柔道の技のような素早い動きだった。
「榊さん・・・・・!!」
男を羽交い絞めにしているのは榊だった。男の両襟を交差させている。
男はしばらくじたばたしていたが、体を一瞬硬直させたあと、ガク・・・・!と脱力して失神した。
「ふー。やれやれ。久しぶりに’落とし’ちゃったぁ」
「榊さん、どうして・・・・」
「説明はあとよ。こいつ、縛っておいた方がいいわね。それで水をぶっかけて起こさなきゃ。死なれても厄介だからね」
榊は花憐が縛られていた縄を解き、代わりに男の手を後ろ手にして縛り、足首も縛った。
縛り終わると、ドアに体当たりを何度か繰り返し、最後は蹴破って鍵を壊すと、部屋から
出ていった。
激しい殴り合いが始まり、肉体を打つ生々しい音が響く。
清人の方が背は高いものの、重量では圧倒的に負けていた。
男は清人に馬乗りになって容赦なく清人の顔を殴りつける。
花憐は男から解放され、息を整える間もなく、割れた窓ガラスの破片をしばられた右手でなんとか拾い、清人を殴ることに夢中になっている男の背中に突き刺した。
「ぐぁ・・・・ッッ!!」
男は背中を強く打たれて、床に倒れのた打ち回った。
「清人さん!!」
花憐は清人に駆け寄り、抱きついた。
口の中が切れ、血が滴り落ちている。
花憐は涙を流して清人を抱き寄せた。
「清人さん・・・!ごめんなさい・・・。ああ、どうしてこんな・・・・・」
男が呻きながらゆらりと立ち上がった。
「冗談じゃねぇ。安い金でなんでここまでされなきゃなんねーんだ!」
男の顔は怒りで歪んでいた。
清人が花憐を自分の後ろに隠すようにしてガードした。
男が二人に詰め寄ろうと、一歩を踏み出した時・・・・。
黒い影が窓から入ったかと思うと、男は床に叩きつけられるように大きな音を立てて倒れこんだ。
柔道の技のような素早い動きだった。
「榊さん・・・・・!!」
男を羽交い絞めにしているのは榊だった。男の両襟を交差させている。
男はしばらくじたばたしていたが、体を一瞬硬直させたあと、ガク・・・・!と脱力して失神した。
「ふー。やれやれ。久しぶりに’落とし’ちゃったぁ」
「榊さん、どうして・・・・」
「説明はあとよ。こいつ、縛っておいた方がいいわね。それで水をぶっかけて起こさなきゃ。死なれても厄介だからね」
榊は花憐が縛られていた縄を解き、代わりに男の手を後ろ手にして縛り、足首も縛った。
縛り終わると、ドアに体当たりを何度か繰り返し、最後は蹴破って鍵を壊すと、部屋から
出ていった。