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君の瞳に映る白い花【おまけ追加しました】
第1章 思いがけないプロポーズ
「結婚したい奴、いるのかよ」

悠はイライラを抑えるためにたばこに火をつけて言った。

「いないけど・・・・」
「じゃあ、問題ないじゃん」
「問題ないじゃんって・・・・」
「お互いの性格は良くわかってるだろ?親同士だって仲良いし、お前とうちの親との関係も良い」

悠はふーっと煙を吐いた。
冬子は悠の目を見た。冗談ではなさそうだが、本気かどうかはわからない。

「ちょっと待って・・・・・。ええ??本気なの??からかってる??」
「本気だよ。明日入籍してもいーぜ」
「明日入籍って・・・・あれ?明日デートって言ってなかった?」

悠は一瞬ギクリとした表情を見せた。
冬子はほっとして言った。

「ほら、やっぱり。もーびっくりしたよ。たちの悪い冗談やめてよ」
「だーかーらー。冗談じゃねーんだっつの。おい、俺の渾身のプロポーズを流す気か」

(渾身のプロポーズ・・・・?どこが??)

冬子はよけいに頭を混乱させた。
明日他の子とのデートがある人間が、プロポーズなどするだろうか。
悠ならやりそうだが、その相手が自分だということには多いに違和感がある。

なぜ自分なのか。今までいっさい恋愛感情など持つことのなかった冬子に対して、なぜそんなことを言い出すのか・・・・。

「なんで私なの?ずっと兄妹みたいに育って・・・・恋愛感情だってなかったし・・・・・。いきなり結婚だなんて馬鹿げてる」

冬子は思っていることを正直に告げた。

「恋愛感情、なかった?」

冬子を見つめる悠の目がわずかに力を帯びた。

「なかったでしょう?」

冬子は同意を求めるように尋ねた。

悠はタバコの火を消して目を伏せた。
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