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第7章 それでもやっと見つけた世界は

「安心するの」


「ん？」


「…してると…安心する」


「うん…わかるよ」


俺も
こうして時と
抱き合ってると安心する


「けどさ

できればキスしたり

愛のある
抱かれ方されたいだろ？」




「……かな…」



俺は
そっと時の唇にふれ
その柔らかな唇を
指でなぞった

こんな可愛い口で
やらせたのか…アイツ…



「時…」


「……」


「俺、キスしたくなった」


「……」


「好きな人想いながら
キスしたい」


時の唇が
アイツに奉仕したと思うと
無性にその唇を
俺の唾液で濡らしたくて
俺はもう
キスをしたくてしたくて
たまらなくなっていた


「梶谷くん…」


「陸って呼んでくれよ。
好きな人に
陸って呼ばれてると思いながら
キスしたい」


「でも…」


「嫌ならやらない」


「……」


「時も…
したいだろ？」



「……」




「時だって

されたいだろ？」



「梶谷くん…」




「目を閉じれば

俺はアイツだ」





「………」




「…俺、寂しいんだ」




「私も

寂しい…」




小さな声で話す
時の唇を一度舐めて

それから
ゆっくりと唇を重ねると

時は

初めて俺を
名前で呼んでくれた


「…陸…んっ…」


軽く舌先を舐めあい
唇を濡らし
舌の触れ合う面積は
だんだんと深くなっていく

時の柔らかな髪に触れ
背中をなぜ
唾液を飲み込みながら
俺達は
舌を絡ませていった

もう
どうでもいい

どうなってもいいと
思ってたかもしれない


そして俺は

キスを止めることができないまま

時の身体に
自分の身体を重ねていた