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私の欠けているところ
第7章 それでもやっと見つけた世界は

息の上がる時に
舌を絡めながら
名前を呼び

名前を呼ぶと
またキスをした

時の目は虚ろになり

時々
小さく消え去りそうな声で
俺の名前を呼んだ

俺は
その声に誘われるように
時に足を絡ませ


キスに
没頭した


「んっ……時…」


時のバスローブは
徐々にはだけ
俺のバスローブは
もうとっくに
緩んでいた


時の
小さなピアスに
キスをしたい


そのバスローブの中の
膨らみを
触りたい

そう思った時だった


「陸…」


「んっ…」


「梶谷くん…」


時が
俺の苗字を呼んだ




「ごめん」



硬くなってる


多分
俺の硬さに気づいたんだろう

時は
俺の名前を呼んで
キスを止めたんだ


「ううん。

ちょっと嬉しかったよ」


時は
色っぽい声で
そう言った


「なにが?」


「梶谷くんの好きな人の
代わりになれたって
ことだから」


代わりじゃないけど


「興奮した」


興奮したのは
俺だけじゃない

と、思う

時の目は
まだ虚ろだった


「俺は?アイツの代わりになれた?」






「うん」



代わりになれたのなら
俺と同じ

時も
濡れてるのかもしれない


あぁ…

触りたい

あの柔らかな感触を

あの
滑りを

久しぶりに
味わいたい



さすがに


それは
言い出せなかったけど


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