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私の欠けているところ
第11章 時を捕まえたときにはもう…
「時、大丈夫?」
俺に
背を向けたままの時は
黙ったまま
俺は
ベットの側に腰を下ろし
もう一度
時に声をかけた
「帰らなくて…ごめん」
「……」
返事をしない時に
心が折れそうになったけど
俺は
ここから一歩も
動かないと決め
携帯を取り出して
会社へ電話を入れた
「梶谷です。
すみません、急用で
今日は休みます。
よろしくお願いします。
それから
総務に電話回してもらえますか?」
そこまで言うと
驚いた時は
急いで身体を起こし
俺を見つめた
電話が総務に回されてる間
小さな声で
「俺が言ってもいい?
深海さん休むって」
と言うと
時は
俺に右手を出して見せた
時の望み通り
携帯を渡すと
時は自分で
今日は休むと総務の人に伝えて
電話を切った
そして
俺に携帯を返しながら
「会社…行きたかった」
と
とても
寂しそうに呟いた
「なんでそんなに…」
「陸には
分からないよ」
「何が?」
「…なんでもない…」
そう
時はまた
俺に
心を閉ざしてしまったんだ