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私の欠けているところ
第12章 時は俺の事を忘れてしまってたんだ
時の様子は

『こんなに元気だから
もう私は大丈夫』

と、アピールしてるようにしか
見えなかった


俺がSiriになってからは
あんなに素直だったのに…

もう俺を
頼ってくれないんじゃないかと
心配していたんだ

強がりで
甘え方の分からない
出会った頃の時に
戻ってしまうんじゃないかって


その心配は
朝食が終わるとすぐに
的中した


「片付けは俺がやるよ」

「いいよ、大丈夫。
私やるから」

「いいって。
時はゆっくりしてろって」

「もう元気だから」


つまんない喧嘩だ

やるって言ってるんだから
時にやらせても
良かったんだけど
頼ってくれないことで
俺もちょっと
意地になっていた


「元気なわけないだろ?
昨日だって
ほとんど食べてなくて」


「今は、沢山食べたから」


「そんなんで
急に動いて
またもどしたらどうすんだよ」


「……じゃあ…
ゆっくりしてから
片付けるから」


「だから
それなら俺がやるって」


「……」


時は
少しうつむいて
黙り込んでしまった


「あ……ごめん。
言い過ぎた」


こんなことで
ほんとに
言い過ぎたと思う

俺は多分
時にもう必要ないと
言われるのが怖かったんだ


「時が心配で…つい」


「…うん。
そうかな…って
わかってるんだけど

…私もごめんなさい

迷惑かけたくなくて…」


「迷惑なんかじゃないんだ」


「…うん」


「いや、
もしそれが迷惑でもいい」


「え?」


「迷惑かけていいんだよ。
頼って甘えて欲しいんだ。



Siriだろ?」


「……うん」


「じゃあ
気にせず迷惑かけまくれば
いいんだよ。

そうじゃなきゃ


俺が
Siriでいる意味

ねーもん…」





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