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私の欠けているところ
第12章 時は俺の事を忘れてしまってたんだ


翌朝


「…ん…時?…時!」


目が覚めて
ぼんやりしたまま
時を探すと
時はベットにいなくて

俺は
時の名前を呼んだ


「なに?」


眠い目を
必死で開くと
時は台所に立っていた


あぁ…よかった


生きてる


「おはよ…」


「うん、おはよ」


「何…してんの?」


「少し元気になったから
朝ごはん作ってる。
まだゆっくり寝てていいよ」


「ううん…もう、起きる」


正直
まだ眠くてたまらなかったけど
俺は
身体を起こして
ベットの上に座り

台所の時を見つめた


髪を一つに束ね
エプロンをしてる時

素直に
抱きしめたいと
思った


「立ってて大丈夫?」


「うん。
沢山寝たら
元気になったみたい」


昨日より
顔色のいい時に
俺はホッとしていた


そして
それと同時に
ちょっと
寂しさを感じていた


元気になったら
俺は必要ないかもしれないし
もう
家に帰れと
言われるかもしれないからだ

だったら
少しでも
そばにいたい

俺はベットから降りて
時のすぐ隣に立った


「もうすぐご飯炊けるんたけど
まだお腹空いてないよね?」


味噌汁を作りながら
俺を見上げる時を

抱きしめたくて
たまらない


「いや、食べる。
腹ペコ」


時の匂い…嗅ぎたい

我慢できなくて
時の耳を
鼻でくすぐると

時は
くすぐったそうに
首をすくめた


「わ、わかった。
ねぇ、り…
あ、えっと」


時は焦ったのか
俺の名前を
呼びそうになっていた

あ…あれ?…


昨日、時に
名前呼ばれたような…

夢…かな…


「なに?」


「あ、あのね
目玉焼きと玉子焼き
どっちがいい?」


「玉子焼き」


「わかった」


「時?」


「なに?」


「…いや、なんでもない」


その日の時は元気だった

機嫌も良くて明るい

昨日
生きていけるかな
なんて言ったとは
思えないくらいだ


だから俺は
時のことが
昨日以上に心配になってしまった


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