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私の欠けているところ
第14章 俺は時のなんなんだよって叫びたくなる


そろそろ
仕事が終わる頃
俺は時にLINEを送った


『体調どう?
ちゃんと食べてるか?
何か必要なものない?』


何か必要なものがあれば
買って時の部屋に行こうと思っていた

それなのに


『すごく元気。
沢山食べてるし
こまってないよ。
ありがとね』


時からのLINEは
俺を必要としていないという
内容だった


なんかムカつく


時が元気になって
嬉しいはずなのに
俺は
気に入らなかった


時は
俺がSiriじゃなく
陸だって分かってるのに

それなのに
つれなくする時の態度が
歯痒くて
たまらなかった


俺と寝たことを
無かったことにしたいのか?

セックスはしない
って決めて
俺ともやんないって
決めたってことなのか?

てかさ
じゃあ俺はアイツと同類?!


俺は
時の返信を読むと
携帯をポケットに入れ
少し
不貞腐れていた


「あ、梶谷」

「はい、なんですか?矢部さん」

「お前、大丈夫か?」

「何がですか?」

あ…もしかして
突然先週休んだこと
やっぱり
時のことが絡んでるって
矢部さん
気付いてんのかな

「急に休んだだろ?」


「あ…はい」


「心配し過ぎかもしれねーけど…」


周りに人がいて
矢部さんは
言葉を濁したけど
心配してんのは
時との事だと
矢部さんの顔には書いてあった


「それなら…大丈夫なんで」


「そうか。
まぁ、なんかあったら
話し聞くから」


「あ、はい」


は?

なんで
話さなきゃいけないんだよ

時の過去のこと
なんも知らないで
時の事悪く言いやがって


時のことを忠告して
俺を心配してくれてるのは
分かってるのに

そんな
矢部さんにまで
俺はムカついていた


だいたい
なんでそんなに
俺と時のことを
あれこれ言うんだよ

そんなの勝手だろ?

矢部さんには
関係ねーのにさ


そう
関係ねーのに


え?…


嘘だろ


まさか
そんなことねーよな


関係無いって思ってんの
俺だけか?


時が

矢部さんと
付き合ってたとか…

ねーよな!
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