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私の欠けているところ
第14章 俺は時のなんなんだよって叫びたくなる


そう思い始めると
なんの根拠も無いのに
俺は
矢部さんと時が
ヤッてたとしか
思えなくなっていった

俺は矢部さんにとって
ただの後輩

別に
過剰に心配される立場でもない

それに
矢部さんは
やけに時のこと
知ってたよな…

時ちゃん時ちゃんとか言ってさ

もしかして
俺に取られんのが
嫌なんじゃないのか?

とさえ
思えてくる

くそ…


俺は
事務所を出る
矢部さんの後ろ姿を見ながら
奥歯を噛み締めていた


何も分からない


時の気持ちも

俺の立場も

時が
何をやらかしたのかも


それから俺は
仕事をする気にもならず
残業を切り上げて
時とよく行った
イタリア料理の店に向かった


とにかく



酒が飲みたかった
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