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私の欠けているところ
第2章 『はじまり』に変わったのは
その後すぐに深海さんもカフェに入り
俺と少しだけ離れた席に座って
ちらっと俺を見た
少し不安そうな深海さん
そんな深海さんを見て
俺は思わず笑みがこぼれた
矢部さんは
深海さんのこと
しっかりしてて仕事が出来る
って言ってたけど
俺は深海さんを知れば知るほど
それは別人なんじゃないか?
と思えて仕方がない
俺の感じる深海さんは
一言で言えば
「助けたくなるような人」
なんだ
『何を注文したんですか?』
不安そうな深海さんに
LINEすると
さっきと違って
深海さんはすぐに返信を返してきた
『とりあえずコーヒーを…』
一人でカフェとか
落ち着かないのか
せっかく離れて座ってるのに
何度も俺を見る深海さんは
大人なのに
子供っぽい
『お腹空いてないんですか?』
『空いてる。
梶谷くんは何頼んだの?』
『俺はパニーニ頼みましたよ』
『じゃ、私も…』
クスッ(笑)
本当にこれが
仕事ができる深海さんなのかよ
俺はその時
ちょっと矢部さんが
「時ちゃん」と
深海さんのことを呼んでる意味が
わかった気がした
そして
それと同時に
俺は深海さんを
抱きしめたいと思ったんだ
深海さんを抱きしめて
慰めてあげたい
できれば
深海さんに甘えられながら
深海さんの体温を感じたいと