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私の欠けているところ
第4章 俺のついた『嘘』のおかげだったんだけど



『ありがとう。
でももう大丈夫よ。
夜遅くにごめんね』


え、ちょっと待って

まだLINEしてたい


『謝らないでください。
俺もLINEしたかったし
俺も寂しかったし
時ちゃんとまだ話したい』








『梶谷くんも…寂しいの?』



『寂しいです。
LINEじゃなくて
電話したいくらい』













『じゃあ
もう少しLINEで』


返信が遅いから
もしかして…と思っていたけど
電話したいという
俺の気持ちは
みごとにスルーされていた


『ありがとう
LINEでも嬉しい』


本音だった

目を閉じて
深海さんを思い出しながら
深海さんからのLINEを待つ

その時間は
俺にとって
幸せな時間だった



『梶谷くん
恋人はいないの?』


『今はいません。
好きな人はいるけど』









俺が男を好きだと思ってる
深海さんの返事は
遅い

色々と
言葉を選んでるんだろう

あんな嘘ついて
ごめんね
深海さん


『その好きな人は…フリー?』


『ううん
恋人がいるんだ』


しかも
ロクでもなさそうな奴

深海さんに
寂しい思いさせるなら
別れればいいのに


『それは…寂しいね。
話し相手
いつでもなるから
気にしないで連絡してね?』



そんなに
優しくされたら



『本気にしますよ』




『いいよ。
今日、私梶谷くんに
救われたから
私でかまわないなら
梶谷くんの寂しさ
救ってあげたい』



俺の…寂しさ


その時

俺の胸が

チクリと痛んだ

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