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私の欠けているところ
第6章 苦しくて…苦しくて…
「時ちゃん…」
「……」
「時ちゃんが
アイツとそれでいいなら
俺…なにも言えないんだけど」
「……」
「けどさ
寂しいんだろ?
だから
俺に夜連絡してきたり
するんだよな?
あの日…
時ちゃんち
俺が行った日
あの時も
寂しかったんだろ?
急に
アイツが帰ってさ……
会ってる時は
いいかもしれないけど
側に居ない時は
寂しいもんな
しかも
一番じゃないってさ
自分だけのものじゃないってさ
寂しいじゃん
分かるよ
俺もそうだから」
「……」
「だから
俺とのことも
ちょうどいいんだろ?
恋愛には
決して発展しないけど
寂しい時
支え合う
関係」
時は
静かに頷いた
「……そっか」
やべ
泣きそう
だからせめて
聞かせてくれよ
「キスしていいって言った理由
俺に嫌われたくないからだって
言ったじゃん?」
「…ん」
「それってさ」
「……」
「なんで?」
俺が言うように
『好きだから』
なんて言ってもらえるとは
思ってない
でも
せめて
支え合うこの関係の相手は
俺がいいと
言って欲しい
「……」
「俺の代わりがいないから?」
「違う」
「じゃあなんで?」
「梶谷くんじゃなきゃ
ダメだから…」
よかった…
「ありがと」
「えっ…」
「救われた」
「……」
「俺も
時ちゃんじゃなきゃダメだから」