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第2章 お誕生日
「あの子とまだ付き合ってるの?」

私はあの場面に居合わせてしまったし、聞かないのも白々しいかも知れないと思い聞いた。


「ううん。もう別れた…正しくは振られたんだ」

普段はひとりでは通らない公園の中をふたりでゆっくりと歩く。街灯も少ないし暗いので夜は余り好きじゃないけれど、小学校の頃は昼間友達との待ち合わせによく使っていた。

「涼くんは、あの子のこと好きだったの?」

ちかん注意の看板を通り過ぎ中へと入っていく。

「別に…」

涼の声に抑揚は無かった。

「好きでも無い人と付き合ったの?」

どうみても、そのようなタイプに涼は見えなかったので、私は驚いた。2人が歩くたびに、下に敷かれた砂利がしゃくしゃくと音を立てた。

「好きでも無い人と…って」

コンクリートでできた山のような形をした滑り台の横で涼が突然立ち止まった。

「好ちゃんが…」

涼の声は、怒りを含んでいた。

「好ちゃんがいけないんだ!」

私が振り返ると、涼は大きな石でできた滑り台のところへ引き摺るように連れて行った。

「ちょっ…涼くん?」

よろけた私は滑り台の側面の大きな壁に手をついた。

「好ちゃんが、僕にあんなことするからっ」

涼は私をそのまま壁に押し付けるようにした。

「僕はおかしくなったんだ」

涼は、私のスカートの中へと乱暴に手を突っ込んだ。

「待って…」

それを避けようと私が身を捩ると、涼は燃えるような熱い手で首をがっしりと掴んだ。下着の中の指は、入り口を乱暴に探っていた。

「い…痛いっ」

数本の指が入り口を捉え、無理やり押し入ってきた。

「好ちゃんのせいだ」

「や…め…」

叫ぼうとした私の首をぐいぐいと絞めつけた。

「好ちゃんが僕を誘惑したんだ」

耳の奥で心臓の音がどくどくと響いていた。その間に涼は下着を引き下げたが、首を絞めている手は緩むことが無かった。

―――カチャカチャ。

涼が自分のズボンのベルトを片手で外そうとしていた。

「涼く…ん。嫌…だ」

絞り出すような声を上げると、全体重を掛けて、私の身体を壁に押し付けたので私は涼に背中を向けたまま動けない。コンクリートのざらついた壁が頬につき、それはひんやりとしていたので、辛うじて意識を保つことが出来た。









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