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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第12章  複雑な快楽
  


「旦那さま、少し休憩にしますか?」


 少女の状態は、いいとは言えない。


「ふん、仕方ないな。シーツを替えろ。あと、茶を頼む。」


「畏まりました。」


 少女と主を残して地下室を出る。


「・・・お兄、ちゃん・・・・・・」


「そんな者居ないぞ。」


 うわごとのように呟く妹に返す。


「お兄、ちゃ・・・ん」


「居ない。お前にそんな者は、居ない。」


 残酷に希望を潰す。


「どこ、お、兄ちゃん・・・・・・」


 ゆっくりと起き上がり兄を探す。


「はは。本当に壊れたか・・・月良。」


「・・・お兄ちゃん??」


 椅子に座る人物を見つめる。しかしよく判らない。


「月良、こっちへおいで。」


 手を差し出して犬や猫のように呼んでみた。すると返事もなくゆっくりとベッドを降りてくる。
 しかし足腰が立たないのか床に座り込んでしまった。


  
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