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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第21章 権力者の闇の宴
たかだか一介の支配人に屈する気など毛頭ない。そうしてそんな奴に張り合うほど子どもでもない。父にクールに返して来賓を出迎えるため会場入り口に立つ。
多くの人が集まる大切なパーティーだ。後継者なのだと印象付けなくては、ならない。
「明莉支配人がお越しです。」
「そうか。」
「会長、どちらへ?」
「手厚く迎えてやらねばな。諍<イサカ>いに良いことはない。」
入り口から外に出て車の傍まで駆け寄る。
「行きましょう、椥さま。」
「ええ・・・」
父の後を追って傍に向かう。
「こんばんは、会長。社長も。」
車を2人の出迎えに裏の意図があると理解しながらも笑顔で挨拶を返す。
「さぁ、おいで。」
開けたままのドアの向こうに手を伸ばす。
「ほら。早くおいで。」
そう言うと戸惑いながら妹が手を取った。