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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第30章 薄れゆく境界線
(「月良。」)
「(誰・・・・・・)」
(「代わりましょうか?」)
「(・・・忘れる?)」
(「ええ。全部忘れる・・・」)
「(でも、私がされるのよね?)」
(「そう、ね。」)
「(だったら、いい・・・・・・)」
(「本当に?」)
「(あなたも、私なら・・・結局私が穢れるのよね。)」
(「月良・・・・・・」)
「(・・・もう、逃げられない。あなたが私なら、一緒に感じてて。)」
(「もちろんよ。」)
「(・・・逃げられない。)っ、お兄ちゃん・・・・・・」
「おっ、気が付いたか。って、勝手にヤッてるけどな。」
「ゆっくり、して・・・痛い。」
「お強請りの仕方は、教えたハズだけどな。なぁ、月良?」
「っ・・・」
身体を起こして兄を見るとイタズラっぽく仄暗い欲望の色を纏う瞳が向けられていた。