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贖罪の檻。【煉獄━ レンゴク ━】
第38章 狂宴の彼方へ
病室にやって来た医師は、静かに声を掛けてきた。
「さぁ、少し触診させてもらうよ。」
「はい・・・」
医師の診察を受ける。
「このまま回復に専念して下さい。明日からゆっくり食事も始めていきましょう。」
「はい。」
消えてしまいたいと思っても上手くいかなかった。それなら生きていくしかないと受け入れるだけだ。
「干亜さん。お兄ちゃんは、退院しているんですか?」
「うん。奈音さんと家にもう帰っているよ。」
「そうですか。・・・逢えますか?」
兄に逢いたかった。
「それは・・・・・・ちょっと、無理かな。」
「どうしてですか?」
「良巳さんから月良ちゃんの保護者資格は、剥奪されたんだよ。」
「え・・・・・・ッ?」
それは、衝撃の一言だった。お互いに無事だったのだからまた一緒に暮らせると思っていた。