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空洞
第1章 相田 花奏(あいた かなで)

「花奏、大丈夫?」
「…うん、もう出るよ。」
扉を開けると、いつもの優しい樹が立っていた。
私は作り笑いをする。
「今日の花奏も、すっごい可愛かったよ。」
「…うん。」
ギュっと樹に抱きついた。
樹は濡れた私の髪を優しく撫でた。
本当は、知らない男にされるなんて怖い。
「ごめんね。いつもこんな事させて。」
「…樹は…嫌じゃないの?私が他の人と…」
「花奏の気持ち良い顔、見るのが好きだから…
それに最後までじゃないし。」
「…私は…私は樹としたいよ…」
樹を掴む手に力が入った。

