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金曜日
第15章 私のお城



『翔大さん、家に帰る』



「はぁ?なんで!」



私はお化粧品とか簡単なものしか持ち歩いていなかったので


一旦、家に帰りたいと言うと



『なら、取りに帰るついでに、夕飯食べて戻ってこればいいか』


と、上着を持ち、



『行くぞー』



と、促す



「えっ?一緒に来るの?私ひとりで帰れるよ?」



『なに言ってんだよ、車で行ってちゃっーとな(笑)』



そう言って、私のバッグを持ち、私の手を引き



30階からエレベーターで地下へ



スタスタと歩くとピッとハザードが点滅したのは



黒色の国産最高級車で



『乗って?』



翔大さんは運転席にさっと乗り込んだ



私は呆気にとられたまま



「お、おじゃまします、、、」



『あかりの家、ナビに住所いれて?』



言われるがまま、内蔵のナビに住所を入力し



『出すからシートベルト!』



慌ててシートベルトをする



『40分かー、かなり遠くに住んでんのな?』



「や、家賃が安いから、、、」



『えっ?自分で払ってんの?』



「うん、それが条件だったから」



『偉いなあかりは』



おしゃべりをしてたらあっという間に私の家の近所



「あっ、そこのランドリーを曲がった所」



『あー、ここ?』



車をマンション前に停めて



『部屋、見に行っていい?』



ワンルームのお部屋は散らかしてはないけど



見られるのは恥ずかしい



「恥ずかしいけどー」



『見るだけー(笑)』



一緒にエントランスへ、オートロックを開け



3階まで階段(笑)



真ん中のお部屋が私のお城



鍵を開け、どうぞと促す



『めちゃキレイにしてるじゃん?』



「小さな部屋だから、、、」



12畳ほどの部屋にはシングルベッドとテーブル、ドレッサーにテレビくらい(笑)


クローゼットが広めなので物は置かないようにしている



『化粧品持ってー、他にいるものない?いるもの持って行きなよ?』


そう言って、翔大さんはベッドに座り



バタバタ用意する私を笑って見てる



トートバッグに化粧品を入れ、他に思いつくものがない




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