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金曜日
第21章 展示会
忙しい週末の金曜日、いつもの出荷作業は終了しているのに、帰れない私達。
週明けから始まる展示会の準備に6階を飾り付け中なのだ。
飾り付けといっても、お誕生日会のような飾り付けではない(笑)
メーカーからのサンプルをマネキンに着せたり、色見本を張り付けたり、ブランドごとのブースに分けた商品を陳列していくのだ。
展示会の管理運営は主にデザイン室がするのだが、大規模な展示会は人手を要するので、仕事が終わった事務の私達もお手伝いをするのが慣例。
「佐藤ー!ハンガー持ってきてー!」
課長に呼ばれてしていた作業を後輩に任せ、ハンガーを持って課長のもとへ
「何本いりますか?」
「5色だから、4本いるな、黒をマネキンに着せて、あとをハンガーにかけて!あっ、柄違いがあるから、これの黒、これの白、これの茶をマネキンに着せて、あとをハンガー!」
届いていたサンプルを今把握したのか、指示が後手後手になり、かなり作業が遅れている。
金曜日なのでみんな早く帰りたいばかりで、後輩達はぶつぶつ文句を言いながら作業している
私は対して用事もないので、いつもと違うお仕事に楽しささえ感じているのにね
「あと、何しますか?」
課長に指示を仰ぐと、会場を見渡し
「大城ー!そっちはどうだー?」
翔大さんに聞いている
『あっ、こっちは終了しました!あと、どこですか?俺やりますよ!』
「なら、女の子達は帰していいな?」
夜7時を過ぎて事務職の私達は帰宅できることになった。
一斉に事務職が帰るので、更衣室がいっぱいで、先輩達が先に着替え終えるのを待って
「お疲れ様でした!」
「お先にねー!」
先輩達が帰っていく