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金曜日
第22章 展示会で思わぬ事態
恐る恐る、課長の横まで行くと
「おっ、来た来た、佐藤、知り合いなんだって?」
「は、はい、幼なじみです。」
「本当に偶然だよな?あかりちゃん、変わらないね?凄く綺麗になったね?」
「いえいえ、そんなこと、、、」
俯いて顔をあげることができない
課長に座れと指示されるが、事務所へ戻ることを告げてその場を離れたい
もう、知られてしまったなら、どうすることもできない
雄太君がどこまで話したのか気になるけど
事務の仕事も残っているので、事務所へ戻りたい
本音はこの場にいたくない
興味津々の課長に、私を懐かしく眺める雄太君
そして、怖い顔で雄太君を見ている翔大さん
商談相手をそんな怖い顔で見ちゃダメだよ~
ってか、私の幼なじみってことがわかって、気付いちゃったよね翔大さん
だから、怖い顔で見てるんだよね
本当にこの場から離れたい、ますます下を向く私
「あかりちゃんがここの事務員なんて知ってたら、もっと早くに取引してたのに、まぁ、元々今回は来春の展開からのイメージ戦略に合致してるので、KMさんにお願いしようとは思っていたんだけどね?」
その場を離れられずに、雄太君の言葉をハラハラしながら聞いていたのだか
『イメージ画だけでのお話を進めていましたが、実際にサンプルは出来ていまして、三栄さんの独占で持っていける様に、展示会場には並べていません。今用意しますのでお待ち下さい。佐藤さん手伝ってくれる?』
そう言って翔大さんは席を立ち、4階の倉庫へ私を連れていった
無言で段ボールを渡され、無言で階段を登る
無言が怖い私、、、
6階のドアを開ける前に一言
『あかり、今日終わったら俺のマンション!』
「は、はい。」
や、ヤバいでしょ!完全に気付いてるでしょ!
こ、怖いよー!
私は心臓のバクバクが聞こえてきそうなくらい動揺していた