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金曜日
第8章 口に出せない気持ち 1
「佐藤ちゃん、終わった?」
上野先輩が声をかけて来た。
そうだった!ご飯行くの忘れてた!
「はい、終わりました!」
「じゃあ、着替えて帰り支度するよ。」
「はい。」
制服から私服に着替えて、
事務所に顔を出して
「お疲れさまでした。お先に失礼します。」
と、挨拶をして
チラッと大城さんを探したが、いなかった。
上野先輩と地下鉄の駅に行き
いつもなら乗り換えるだけの総合駅で降りて
改札を出る。
「今日はイタリアンだよ!」
えっ?と、何かデジャブを感じた。
あー、やっぱりここか!
着いたのは、大城さんと一緒に行ったイタリアンレストラン
「まだ、来てないねー?」
あー、大城さんいなかったけど、やっぱり来るんだよね?
「先に入ってようか?」
上野先輩は扉を開けて(予約してある大城です)って言った。
そうだよね、やっぱり、そうなんだよね。
「今日も忙しかったね?疲れてない?」
優しい上野先輩を妬みたくないのに
心が壊れそうにギュッて押し潰されそう。
トコトン見て、トコトン落ち込んで、月曜日にはスッキリ仕事に向かえるように。
「上野先輩の彼ってー、」
勇気を出して聞こうとしたら、
「あっ、来た来た、ここだよー!」
現れたのは、
大城さんと、
森さんだった。