この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
金曜日
第9章 口に出せない気持ち 2
手を繋ぎながら歩いて
まだ開いてるお店で大城さんが私の洋服を選んでる?
なんで?
『3着くらいでいいか?』
「へっ、なんで?」
『えっ?帰さないから。』
えっ?帰りますけどー!
「いらないよ、帰るし。」
私の言葉を無視して勝手に会計。
今度はランジェリーショップ
『サイズ合ってるよな?』
へっ、なんで知ってるの?
???顔の私に
『見たしー(笑)』
『俺の好みで選んだから!』
な、何勝手に買い込んでるの?
「ホントに帰るし、やめてよ!」
『帰さないから!』
大きな紙袋と小さな紙袋を持ち
私の手を引いてタクシーを停める。
まだ、早い時間だったので大城さんのマンションに行ったとしても帰れる自信があった。
変に拒むのも大城さんが怒ったら嫌だなって思いもあり
素直にマンションまで一緒に行った。
本当に凄いマンション!
30階に着いて、ドアを開ける大城さんに促されて
中に入る。
廊下を真っ直ぐいって、ドアを開けると
「うわぁー!ホントに綺麗!」
そういえば、この前は夜景を見ずに帰ってしまったっけ?
「キレイ、綺麗だね!」
嬉しくて大城さんの腕をポンポン叩いた!
『毎日見てるからわかんない。』
「えー、みんなそう言うでしょ?」
『ここに誰か呼んだことないし。』
「えっ?お友達とか来ないの?」
『あー、呼ばない。森も、来たことないよ。』
「えっ?そうなの?」
私は2回目なのに?
ちょっと特別感を感じたけど、頭をブンブン振って消し去る。
思い込み過ぎて、傷つくのが怖いのだ。
だから、心に鍵をかける。
気持ちを、本当の気持ちを、言葉にするのが怖いのだ。
Hのときは素直になれるのになんでだろう?