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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
 人気のない辺りまで来ると、オクチョンは周囲をそっと窺った。誰もいないのを確認して、チマの裾をえいやっと端折(はしょ)る。そのまま全速力で走り始めた。





 子どもの時分から、使用人の男の子たちに混じって外を駆け回っていたオクチョンである。走ったり身体を動かしたりするのには、ちょっとした自信があるのだ。
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