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第9章 運動不足…



「うー…。」


ご飯を食べながら、ひたすら唸る涼ちゃん…。

知らん顔でご飯を食べる私…。


「理梨…。」

「何?」

「なんでもするから…。」


呆れて笑っちゃう。


「もう何もしなくていいから…、無茶だけはしないって約束して。」

「出来るだけ我慢する。」

「なら、もういいよ。」


叱り過ぎると、今度は私のご機嫌取りに無茶をすると予想が出来るから、ほどほどで許す癖が付いた。

朝食の後は荷物をまとめてから少し早めにタクシーで空港に行く。


「ジュース買って来ようか?なんか食うか?」


私が叱り飛ばした後は落ち着かない涼ちゃん…。


「座って…。」


ちょこんと私の隣りに座る。

手を出せば手を握って来る。


「なんにも要らないから飛行機の時間までここに居て…。」

「わかった。」


大人しくなった涼ちゃんの頭を撫でてあげる。

これが無敗の最強ファイターと言われているのが嘘のように感じる。

来た時と同じように飛行機を乗り継いで地元の空港まで帰り着くと涼ちゃんのお母さんが車で迎えに来てくれていた。


「ジムの会長さんが涼二に話があるから、こっちに戻って来たらジムに来て欲しいって言ってるの。」


涼ちゃんのお母さんがそう言うから当然私もジムに一緒に行くつもりだった。


「ごめん、理梨は一度、家に帰れ。」

「なんで?ジムにお土産もあるし、霧島さんと静香さんにもお土産あるから持って行くよ。」

「多分、理梨には聞かせられない話なんだ。土産なら俺が持って行くから今日は帰った方がいい。許可は貰ったけど、おばさん達も心配してると思うし。」


涼ちゃんが悲しい顔をする。

聞かせられない話…。

選手としての話だと思う。


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