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第12章 課題…



今夜はお父さんが残業で遅いらしい。


「だから…、週末は涼ちゃんがこっちに来るから待たせといてよ。」

「加藤さんの相手といい、理梨の相手といい、涼ちゃんも大変よね。」


大変なのは私の方だと言いたいけれど、それを言う訳にはいかない。

うちの学校は一応カソリック学校…。

男女交際は一切認められる事はなく、結婚をするまでは清い身体で居なさいという古い教えを貫いている学校だ。

うちの両親は宗教は関係ないという両親だから涼ちゃんとの関係はあまり気にしてはいない。

そんな学校を選んだ私が悪いの一言で終わらされる。

ただ立場的に涼ちゃんが私とは結婚する意思があるという態度を貫いた上で私と付き合っている。


「学校にだけはバレないようにしなさいよ。」

「わかってるって…。」


そう言ってお風呂に入って自分の部屋のベッドに潜ると簡単に寝てしまう。

練習不足の涼ちゃんに付き合う私の方がクタクタだ。

このまま涼ちゃんと付き合って涼ちゃんと結婚する。

学校はエスカレーターで短大まで行って卒業する。

私の人生はまるで決まった線路の上を走る機関車のように感じる。

それが運命?

ハプニングは要らないけれど退屈な田舎で退屈な人生は送りたくないとか考える。

おかしな夢を見る。

白いタキシードを着た色々な男の人が私に手を差し伸べて来る。

どの人も顔はのっぺらぼう…。

私は涼ちゃんを探してその人達から逃げ回る。

知らない場所で知らない通路を走り回る。

会長さんや篠原さん、霧島さんや静香さんが涼ちゃんなら向こうに居たと教えてくれる。

その通路を必死に走るのに出会う人はのっぺらぼうの人ばかり…。

涼ちゃんはどこ?

涼ちゃんによく似た背中を見つけた。

手を伸ばしてその人の背中を掴もうとした。

その瞬間に目が覚める。

学校に行かなきゃ…。

疲れ切ってクタクタの身体で学校に向かっていた。


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