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第1章 行かないで…



「行っけー!かましたれっ!」

「そこっ!今や!」


好き勝手にダミ声で野次みたいな声援を飛ばすおじさん達…。


「やーん!行っけーっ!」

「勝ってー!」


例え黄色い声になっても好き勝手を言ってるとしか感じないイケイケお姉さん達の声援…。

何が楽しいの?

もう…、止めてよ…。

そう思いながらも目が離せない。

怖いよ…。

だから…。

もう止めてよ…。

私の気持ちなんか、この場所なんかで伝わらない事はわかってて必死になって頭の中で訴える。


カーンッ…


派手な金属音がする。

ゴングと呼ばれる試合終了の合図。

私の目の前にはリングと呼ばれる舞台がある。

ボクサーパンツを履いた男が2人…。

それぞれが自分の指定コーナーへと分かれてセコンドから差し出された小さな椅子に座る。

セコンドから貰う水を一口だけ口にするとバケツに向かって吐き出す。

目だけはまだ戦えるとギラギラさせている。

3R(ラウンド)3分ずつの試合が終わった。

お互いが相手を決定的に倒せなかった以上は今はジャッジによる判定待ちの状況…。

この判定がドロー(引き分け)の場合、延長戦に入ってしまう。

祈らずにはいられない。

神様…。

お願い…。

ジャッジの集計が終わると白いYシャツに赤い蝶ネクタイをしたレフリーが対戦者をリングの真ん中へと呼びつける。


「ジャッジ……赤……。」


マイクに向かって勿体つけながらジャッジの結果を読み上げるレフリーにイライラとする。


「Wi~nner~!RYOJI~!!」


目一杯張り上げられた声に全身の力が抜けた。

勝利宣言を受けた男はレフリーに片手を上げられながら客席に向かって拳を見せて笑顔を振りまく。


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