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第18章 2度とお断り…



涼ちゃんが好きなのに…。

涼ちゃんだけを好きで居たいのに…。

その涼ちゃんが怖い事をする。

小さな私は悲しくなる。


「理梨…?」


涼ちゃんの動きが止まった。


「理梨…?」


涼ちゃんの手が私の目から流れ出す涙を拭う。


「涼ちゃん…だけ…好きな…のに…、ヒック…、涼ちゃん…が…怖い…、もうやだ…。」


ボロボロと涙が溢れて止まらない。


「えーっと…、ごめん、理梨…、だから…、泣かなくていいから…。」


さっきまでの怖い涼ちゃんが消えていつもの涼ちゃんになって狼狽える。


「理梨…、ねぇ…、ごめん!」

「涼ちゃんなんか…、知らない!涼ちゃんなんか…、大っ嫌い!」


わんわんと泣く私に涼ちゃんがオロオロとする。


「だから…、本当にごめん!もう怒らないから理梨は泣かないでくれよ。」


萎えた涼ちゃんが私の身体の中から抜けていた。


「知らない!怖い涼ちゃんは嫌い!」

「もう怒ってないから…。」


泣くしか出来ない小さな女の子…。

我儘で涼ちゃんしか知らない女の子…。

そんな子の為だけに涼ちゃんは必死になる。


「ごめん…、もうしない。だから…、泣くな。」


あやすように私を抱きしめて髪を撫でる。


「やだ!絶対に怖い涼ちゃんは嫌い!」


子供みたいに泣き喚くしかしてあげられなくて、ますます自分が悲しくて涙が止まらなくなっていく。


「理梨だけは失いたくないんだよ…。」


泣きそうな涼ちゃんにずっと胸が痛かった。

今の状況から誰かに助け出されないと何も出来ない女の子だと自覚した自分に悲しかった。

何よりも涼ちゃんと居るよりミケと居る方が楽なんだと感じた自分が嫌いで堪らなかった。


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