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VERTEX
第24章 役立たず…

ここまで頑張って来たのに…。
涼ちゃんから頂点の道を取り上げようとする人達が存在する事実に泣きたくなる。
霧島さんが居た頂点に…。
「俺は頂点でなくていいです。VERTEXの頂点は霧島さん以外にないんだから…。」
涼ちゃんはまだ霧島さんがVERTEXの頂点だと言い切ってしまう。
「霧島君がもう戦えなければ、誰かが頂点になる。」
社長が厳しい顔で涼ちゃんを見る。
「だからVERTEXとしては、今しばらくは幸村さんを認める事は出来ないという判断だ。」
「今しばらくって…、いつまでですか?」
社長は答えない。
「タレント活動抜きでの頂点は…、難しい事はわかって貰えるわよね?霧島さんだってタレント活動は外せなかったのだから…。」
社長の代わりに和美さんが答える。
「なら…、タレント活動をすれば理梨を認めて貰えるんですか?俺が絶対に頂点だとなれば理梨をちゃんと認めてくれるんですか?」
涼ちゃんが噛み付くように和美さんに言い返す。
「そのくらいにしておけ…。」
会長さんが涼ちゃんを止めに入る。
「1年間、タレント活動を含めて頂点を守り抜く事が出来れば…、幸村さんの事を認めて公表をする。」
社長が涼ちゃんにそんな約束を言う。
「1年…、必ず約束は守って貰います。」
完全に涼ちゃんがキレてると感じる。
「涼ちゃん…、もういいよ。私は認めて貰わなくてもいいよ。涼ちゃんが無理する方が私は嫌だよ?」
社長さん達と離れて涼ちゃんにそう言い聞かせる。
無理をすればまた涼ちゃんは止まらなくなる。
無茶な練習…、負傷してでも戦う試合…。
それを今度はタレント活動をやりながら行うつもりの涼ちゃんにゾッとする。

