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第4章 緊張する…



「静かに理梨ちゃんだけついて来てくれる?」


そう言って篠原さんが通路を小走りに走り出す。


「私は大丈夫だから行って来て。」


静香さんが私の背中を軽く叩くから私は篠原さんを追いかけて走り出す。

アリーナの客席を出て篠原さんが一段と早く走り出すから追いかけるのに必死になる。

裏方へと抜ける通路の前に来た。


「とりあえず、これを付けて。」


篠原さんがジムパスの予備を渡してくれる。

首から掛ける紐が付いている、そのパスを首から下げると篠原さんが裏方へ入る扉を開ける。

扉には『部外者立ち入り禁止』の張り紙がある。


「涼ちゃんに何が?」


裏方の通路を走る事は出来ないから早歩きの篠原さんに聞いてみる。

涼ちゃんの試合までは後1時間。


「涼二の奴、興奮してるんだ。会長が宥めても収まらないから理梨ちゃんを呼ぼうという判断になった。」


苦笑いをする篠原さん。

だけどそれは苦笑いで済む話じゃない。

興奮してる?

なんで?

不安になる。

興奮状態でリングに上がると自分のペースが掴めなくなる。

それは必要以上にスタミナを消費して自滅する事を意味している。

その為に私を呼べと会長さんが判断をした。


「本当ならテレビカメラが入る時間なんだが、今回は会長がカメラ無しの希望を出したから15分くらいなら理梨ちゃんに会える時間がある。」


迷路のような通路を篠原さんが歩く。

試合前の選手の様子をテレビカメラで撮影をする予定を涼ちゃんがあまりにも落ち着かないから取り止めにしたらしい。

会長さんが止めても落ち着かない涼ちゃんがウォーミングアップを繰り返す。

余計なスタミナを使い過ぎれば試合では使いものにならなくなる。

何やってんのよ!?あのお馬鹿!?

そう叫びたい気持ちを堪えながらひたすら篠原さんからはぐれないようにと通路を歩き続けた。


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