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第7章 仕事だから…



私とやりたい事の全てをこのCMで国崎さんを相手に演技する事になる。


「だから…、断ったの?」

「嘘でも他の女の手に指輪とかはめたくねぇよ。」


拗ねた犬男がベッドで丸くなる。

頭をよしよしして慰める。


「割り切ろうよ。RYOJIは格闘家として仕事をしなければならない。でも本田 涼二は私だけの恋人だよね?」


涼ちゃんが私の手にキスをする。


「理梨以外の女は俺には要らない。」


涼ちゃんの手が顔に触れる。

ゆっくりと顔が近付いてキスをする。

私の涼ちゃんだと思うから、こんな仕事をしても大丈夫だと確信する。


「先にお風呂に入っておいでよ。」


涼ちゃんをお風呂に入らせる。

待っている間に部屋の呼び鈴が鳴る。

扉のチェーンを掛けてから少しだけ扉を開けてみた。


「RYOJIさんは?」


国崎さんが居た。


「もう、寝てます。」

「嘘は止めてくれる?明日の仕事の打ち合わせがしたいのよ。他のスタッフさんも居るし、皆んなで近付くのBarに飲みに行こうって話になってるから呼びに来たの。マネージャーなら邪魔をしないで。」


国崎さんの後ろにマネージャーさんは居ない。

つまり国崎さんの話が嘘だと思う。

Barなどのお酒を出す場所へは私が行けないのをわかってて涼ちゃんを連れ出そうとしている。


「貴女がどんな生活をしているかは知りません。だけど涼ちゃんは格闘家です。基本的にこの時間はいつも寝ている時間ですし、生活リズムを崩す仕事は一切お断りをしています。」


私をマネージャー扱いするならば、私は私の事実を言うだけだ。

涼ちゃんはお酒は飲まないし、夜遊びもしない。

こんな時間に押しかけられても迷惑なだけだと国崎さんにわからせる。


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