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また何処かで会いましょう
第2章 まさかの同居生活
キッチンへ入ると、料理中のマスターへ尋ねてみる。
「あの、マスター……」
「ん?なんだい?」
「何で紫さん、いつも帽子で顔を隠してるんですかね?」
すると、マスターのフライパンの動きが一瞬ぴたりと止まったように思えて不思議になった。
「……それはね」
……聞いちゃいけなかったかな。
火傷とか、色々な事情で顔に痣とかあるのかもしれない。
「いや、言えないなら良いんです。色々な事情が誰にでもあるし……」
「……そうだね。うーん。でも、うーん……。季美花ちゃん、珈琲を渡す時に、紫の……」
何だろうか……?
何かを迷ったように言うと、マスターは私にコソコソと耳打ちをしてきた。
その言葉に一瞬驚いたものの、私は静かに頷いていた。