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HANAMIZUKI~貴女を永遠に想います
第9章 知らない女との生活
慌ててバックヤードを出て顔を出すと・・・。
スーツ姿の和也君・・・。
私を見ると深く頭を下げてきた・・・。
和也君と一緒に店を出て・・・モール内のカフェへ・・・・。
和也君は私に封筒を差し出して来て・・・。
「兄貴に聞いたら・・・美晴さんに慰謝料などは払っていないって・・・」
・・・・・・。
「そんな・・・それはもういいっ・・・」
私はその封筒をそのまま和也君に戻した・・・。
「じゃ、・・・龍の医療費で・・・・・・。」
龍・・・・。
その名を聞くと・・・今はもう・・・。
「美晴さん?・・・龍の体調はどう?」
・・・・・。
涙が出そうになるの・・・。
下を向いたままテーブルの下で拳を握ると・・・。
「美晴さん?」
・・・・・・・。
龍との話は・・・お母さんにも話してはいない・・・・。
誰にも言えない・・・。
言ったら辛くて・・・。
涙が止まらなくなるから・・・・。