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愛DoLL☆美しき野獣
第13章 十三章





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「・・・さん。」


上の方で今、声が聞こえた。


「潤さん!!」


それは、響の声だった。


いつの間に俺は、響の病室に来ていたのだろうか??
全然覚えてねぇ。

窓の外を見ると、もう、朝日が昇っていた。


「・・・お前・・今日の調子どーだ?」


「絶好調です!!この分だと、僕もうすぐ退院できますかね?」


「どーだろうな・・・わかんねぇ。」


俺は彷徨うように、響のお腹に耳を当てた。


「わっ!!潤さん!!びっくりしました!」


「何がだ?」


「僕のお腹に触れてくれたの、初めてで。ちょっと嬉しいです。」


「ああ、そうだったか・・。そうかもな。」



トクン、トクン。

ビクッ!!!


今、胎児が動いた。

慌てて俺は、顔を上げた。


「ホラ、もう、赤ちゃんが動くのが分かるんですよ?」


響は、嬉しそうに、俺に笑った。

その顔つきは、もう、母親そのものだった。

そうだ・・。

俺が守らなきゃならない大事なものは、ここにあったんだ・・・。


「どうしたんですか?潤さん?悲しいんですか?」


「はぁぁ?」


俺は・・・無意識に泣いていた。


「なんでもねぇーよ。」


そう言うと、響は、ぎゅうっと俺の頭を抱きしめてきた。

それは、真琴と同じ温かさだった。

無くした者の、空白を埋めるには、充分過ぎる温もりだった。

響は何も聞かず、俺をただ、ずっと抱きしめていた。


「大丈夫です、僕がずっとそばにいますから。」.


「・・・ああ、そうだったな。」


俺の涙を止めたのは、皮肉にも、精神制御され、肉体改造もされ、記憶の改ざんもされた、哀れな¨DOLL¨だった。
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