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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第5章 正体不明の来訪者。レイプしたのは僕!?
『その女を犯せ!!』
――と。
頭に響いた男の声に聞き覚えは全くない。
そして真吾の声ですら勿論ない。
何とも不思議な声だ。いや、異質だと表現した方がこれは近いのか。
真吾がそう感じたのは、聞こえてきた経緯が突拍子もないからではない。普通に生活するただの一般人では、まずそうそう耳にする機会がなさそうな声音だったからだ。
例えて言うなら……そうだな、王者のカリスマ。一般人からはまず感じられないような、風格のようなものが漂っていた。
聞こえてきた声がどうこうよりも、問題は言葉の内容……まるで命令のような言葉だった。
いきなり犯せと言われても困るのだ。
ただの高校生の真吾にだって、立場もあれば都合もある。現代社会でレイプはれっきとした犯罪なのだ。だったら今までのは痴漢じゃないのかという心の天使のツッコミは、この際いったん置いておいて――いくら面白みのない人生を歩んでいようと、進んで犯罪に身を投じる程バカじゃない。そこまで堕ちるのは嫌だという、ちっぽけなプライドだって真吾にはある。
たった今これ以上の事をするのはマズいと結論づけたばかりで、勝手な事を言われても非常に困る。
そもそも正体不明の声だけの存在の言う事を、聞いてやる義理はない。
「絶対に嫌だね。どうして僕がそんな事……」
女の子とそりゃあ勿論セックスはしたい。しかし何も危険を冒してまで無理にしなくても……という気持ちが、真吾を何とか正の道に押し留めていた。
誰だって犯罪者になるのは嫌だし、塀の中も当然お断りだ。
さっきは調子に乗って彩夏にフェラチオをさせておいて、どの口がそれを言うのかという感じではある――が、これはこれ、それはそれ。自我のない状態に付け込んで犯すのは、真吾はどうしても抵抗があった
しかしそんな問答を何度か繰り返していると、声の様子がだんだんと変化していくように感じた。
焦れ、苛立ち――そして最後にはキレた。
『もういい軟弱者め!!』
轟くように、底に響くような威圧感のある怒号はもの凄い迫力だった。
肌にビリッと静電気が走ったように、ビクリと飛び上がる。
あー……頭の中がぐわんぐわんする。人の中で喋ってる事を、もう少し留意して欲しいと真吾は愚痴った。
『時間がないんだよ、まどろっこしい。もう良い、おまえはそこでボサっと見物してるが良いわ!!』
――と。
頭に響いた男の声に聞き覚えは全くない。
そして真吾の声ですら勿論ない。
何とも不思議な声だ。いや、異質だと表現した方がこれは近いのか。
真吾がそう感じたのは、聞こえてきた経緯が突拍子もないからではない。普通に生活するただの一般人では、まずそうそう耳にする機会がなさそうな声音だったからだ。
例えて言うなら……そうだな、王者のカリスマ。一般人からはまず感じられないような、風格のようなものが漂っていた。
聞こえてきた声がどうこうよりも、問題は言葉の内容……まるで命令のような言葉だった。
いきなり犯せと言われても困るのだ。
ただの高校生の真吾にだって、立場もあれば都合もある。現代社会でレイプはれっきとした犯罪なのだ。だったら今までのは痴漢じゃないのかという心の天使のツッコミは、この際いったん置いておいて――いくら面白みのない人生を歩んでいようと、進んで犯罪に身を投じる程バカじゃない。そこまで堕ちるのは嫌だという、ちっぽけなプライドだって真吾にはある。
たった今これ以上の事をするのはマズいと結論づけたばかりで、勝手な事を言われても非常に困る。
そもそも正体不明の声だけの存在の言う事を、聞いてやる義理はない。
「絶対に嫌だね。どうして僕がそんな事……」
女の子とそりゃあ勿論セックスはしたい。しかし何も危険を冒してまで無理にしなくても……という気持ちが、真吾を何とか正の道に押し留めていた。
誰だって犯罪者になるのは嫌だし、塀の中も当然お断りだ。
さっきは調子に乗って彩夏にフェラチオをさせておいて、どの口がそれを言うのかという感じではある――が、これはこれ、それはそれ。自我のない状態に付け込んで犯すのは、真吾はどうしても抵抗があった
しかしそんな問答を何度か繰り返していると、声の様子がだんだんと変化していくように感じた。
焦れ、苛立ち――そして最後にはキレた。
『もういい軟弱者め!!』
轟くように、底に響くような威圧感のある怒号はもの凄い迫力だった。
肌にビリッと静電気が走ったように、ビクリと飛び上がる。
あー……頭の中がぐわんぐわんする。人の中で喋ってる事を、もう少し留意して欲しいと真吾は愚痴った。
『時間がないんだよ、まどろっこしい。もう良い、おまえはそこでボサっと見物してるが良いわ!!』