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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第2章 予想外の再開
腕時計に目をやると、時刻は午後5時を回っていた。
この時刻なら20分の急行に乗れば、6時のアニメ時間に帰宅が間に合う――滝川真吾《たきがわしんご》は、高校2年の男子高生とは思えない、可愛いい顔立ちをホッと崩した。
幼げな面相とは不釣合いな長身を包むのは、桜里《おうり》高等学園のブレザー制服――アイボリーのブレザージャケットと、黒地のタータンチェックのスラックスパンツ。襟に色のラインの入った、学校指定のワイシャツ。色は学年別で、真吾の学年は若紫――だ。
人で賑わう改札口は、もうすぐ訪れる帰宅ラッシュを彷彿とさせる。
真吾はブレザーの内ポケットから定期入れを出そうとして――目的の物が無い事に気がついた。
「あ……あれ!?」
焦りながら真吾は、サイドポケットやスラックスのポケットにも手を突っ込んで探してみる……が、見つからない。
そうだった……ブレザーの取れかけたボタンを縫いつける為に、ポケットの中身を机の中に避難させていたのを真吾は思い出した。
学校までの30分の道のりを想像しただけでゲンナリする。
「――って事は……うわぁ、学校に逆戻りかぁ……」
トホホと心で溜息をついた瞬間に、真吾は肩を叩かれた。
学校の近辺で真吾の肩を叩くような間柄の人物は、幼馴染と一人の友人くらいしか思い浮かばない。しかし友人は疾うに帰っただろうし、背丈的に幼馴染ではないと言い切れる。
誰だろうと背後の気配に振り向くと、そこにいたのは真吾よりも2歳ほど年上そうな体育会系の男性――私服だし、大学生だろうか。その顔に見覚えがあるような、ないような……えーと、誰だっけ?
178センチの真吾よりも僅かに背の高いその男性は、友好的そうな笑みを真吾に向けた。
「久しぶりだなァ、滝川。その制服……桜里高か?」
「は……はぁ。あの~……どなたでしたっけ?」
「え~、忘れちゃったのかよ!?まったく相変わらずツレないなァ……」
そう言って、何故か意味深な笑みを男性は浮かべた。
この時刻なら20分の急行に乗れば、6時のアニメ時間に帰宅が間に合う――滝川真吾《たきがわしんご》は、高校2年の男子高生とは思えない、可愛いい顔立ちをホッと崩した。
幼げな面相とは不釣合いな長身を包むのは、桜里《おうり》高等学園のブレザー制服――アイボリーのブレザージャケットと、黒地のタータンチェックのスラックスパンツ。襟に色のラインの入った、学校指定のワイシャツ。色は学年別で、真吾の学年は若紫――だ。
人で賑わう改札口は、もうすぐ訪れる帰宅ラッシュを彷彿とさせる。
真吾はブレザーの内ポケットから定期入れを出そうとして――目的の物が無い事に気がついた。
「あ……あれ!?」
焦りながら真吾は、サイドポケットやスラックスのポケットにも手を突っ込んで探してみる……が、見つからない。
そうだった……ブレザーの取れかけたボタンを縫いつける為に、ポケットの中身を机の中に避難させていたのを真吾は思い出した。
学校までの30分の道のりを想像しただけでゲンナリする。
「――って事は……うわぁ、学校に逆戻りかぁ……」
トホホと心で溜息をついた瞬間に、真吾は肩を叩かれた。
学校の近辺で真吾の肩を叩くような間柄の人物は、幼馴染と一人の友人くらいしか思い浮かばない。しかし友人は疾うに帰っただろうし、背丈的に幼馴染ではないと言い切れる。
誰だろうと背後の気配に振り向くと、そこにいたのは真吾よりも2歳ほど年上そうな体育会系の男性――私服だし、大学生だろうか。その顔に見覚えがあるような、ないような……えーと、誰だっけ?
178センチの真吾よりも僅かに背の高いその男性は、友好的そうな笑みを真吾に向けた。
「久しぶりだなァ、滝川。その制服……桜里高か?」
「は……はぁ。あの~……どなたでしたっけ?」
「え~、忘れちゃったのかよ!?まったく相変わらずツレないなァ……」
そう言って、何故か意味深な笑みを男性は浮かべた。