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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第6章 何とか戻って来たけれど……我慢の限界です!
その後の記憶は、ほんの僅かの時間だが確かに切れている。
だとしたら辻褄から言っても、矢張り成功した瞬間なのだ。
しかし目が金色に発光とは……猫じゃあるまいし今までに無かった。両親からもそのような話は聞いた事が無いし、今以前にそんな事が起きた記憶は、覚えている限りでも無い。
内にいるであろうあの声といい、自分の中で何かが起こっている。だが真吾がどうこうするにも、糸口になりそうな秘鑰《ひやく》がない。
「――って、何も覚えてないの!?」
「う~ん……いやさァ実はその時、身体を盗られて僕は自分の内に閉じ込められてたんだよね」
呆気に取られたように、ポカーンとしている彩夏。
気持ちは理解できる。真吾も正直、同感だ……自分の事ながら、上手く説明できる言葉がない。
「目が光ったって時、僕はちょうど牢獄のような肉体の内から脱出した時だったんだと思う。そこからの記憶が確かに途切れてるし……」
話していけばいく程、胡散臭いものを見るような目つきに変わる。これは絶対に信じてくれていない。
事実を話しているのに、いかにも現実的そうな彩夏に非現実的な話を信じろというのは難しいのかもしれない。
「その顔、全く信じてないよね……まぁ理解できるけどさ、僕が変な事を言っているのは。どう説明したものか、僕もちょっと悩んでるんだよ」
どう説明したものかと思案している真吾を見ている彩夏の表情は、いかにも怪しいものでも見るような不機嫌な顔だった。
上手い説明も思い浮かばず、雰囲気はまさに膠着状態。これ以上どう説明したら良いのだろう……。
「その時から委員長に起されるまでの記憶は確かに切れてるんだけど――」
「な――なら私を強姦したことは……!?」
険しい顔で真吾に詰め寄る彩夏。
ですよねー……彩夏が一番怒る理由なんて、それを措いて他にない。
こうなるから襲うのは嫌だったんだ……と、心で真吾は嘆息した。
「――ごめん。身体の内から見てたから、知ってる……」
犯される現場を目撃した後ろめたさと、そうなる前に肉体へ戻れなかった不甲斐なさ。かける言葉も思い浮かばずに真吾は押し黙った。
結局こうなってしまうのなら、最初から拒まなければ良かったのだろうか。そうすれば説明がつけられず苛立つ事も、不甲斐なさに気が咎める事もなかった。
だとしたら辻褄から言っても、矢張り成功した瞬間なのだ。
しかし目が金色に発光とは……猫じゃあるまいし今までに無かった。両親からもそのような話は聞いた事が無いし、今以前にそんな事が起きた記憶は、覚えている限りでも無い。
内にいるであろうあの声といい、自分の中で何かが起こっている。だが真吾がどうこうするにも、糸口になりそうな秘鑰《ひやく》がない。
「――って、何も覚えてないの!?」
「う~ん……いやさァ実はその時、身体を盗られて僕は自分の内に閉じ込められてたんだよね」
呆気に取られたように、ポカーンとしている彩夏。
気持ちは理解できる。真吾も正直、同感だ……自分の事ながら、上手く説明できる言葉がない。
「目が光ったって時、僕はちょうど牢獄のような肉体の内から脱出した時だったんだと思う。そこからの記憶が確かに途切れてるし……」
話していけばいく程、胡散臭いものを見るような目つきに変わる。これは絶対に信じてくれていない。
事実を話しているのに、いかにも現実的そうな彩夏に非現実的な話を信じろというのは難しいのかもしれない。
「その顔、全く信じてないよね……まぁ理解できるけどさ、僕が変な事を言っているのは。どう説明したものか、僕もちょっと悩んでるんだよ」
どう説明したものかと思案している真吾を見ている彩夏の表情は、いかにも怪しいものでも見るような不機嫌な顔だった。
上手い説明も思い浮かばず、雰囲気はまさに膠着状態。これ以上どう説明したら良いのだろう……。
「その時から委員長に起されるまでの記憶は確かに切れてるんだけど――」
「な――なら私を強姦したことは……!?」
険しい顔で真吾に詰め寄る彩夏。
ですよねー……彩夏が一番怒る理由なんて、それを措いて他にない。
こうなるから襲うのは嫌だったんだ……と、心で真吾は嘆息した。
「――ごめん。身体の内から見てたから、知ってる……」
犯される現場を目撃した後ろめたさと、そうなる前に肉体へ戻れなかった不甲斐なさ。かける言葉も思い浮かばずに真吾は押し黙った。
結局こうなってしまうのなら、最初から拒まなければ良かったのだろうか。そうすれば説明がつけられず苛立つ事も、不甲斐なさに気が咎める事もなかった。