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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第11章 なんて朝だ
 精液で殺せるのなら、誰のものでも良いじゃないかと、真吾は煩悶する。その力が自分の肉体にあるらしい事は理解できる。だがそんな事は、やりたい奴がやれば良い事だ。

「良いか忘れるな。おまえ以外の精は堕児のただの糧……刻印を持つおまえ以外に堕児は堕胎できないし、誰も代わる事はできない掛替えのない稀有の力だ」

 勝手な事を言うなよ。本当に僕しかいないって言うのか……!
 重たい意識の中で強くそう思った時、真吾の意識は薄れ始めた。
 何を言っているのか聞き取れない声は、まるで傷のあるテープをレコーダーで再生させているように飛び飛びに聞こえた。

「おまえは刻印を……承……る……。おま……だけが……児に蝕ま……た肉体を浄化でき…………を持っている。女たち……救えるの……おまえだけ――」

 待て、まだ知りたい事があるのに……!
 真吾は目の前に手を伸ばす。縋るように伸ばされた指先も、暗くなる視界に邪魔されて見えなくなっていった。
 聞きたい事はまだあるのに、意識がどんどん擦れていく。
 どうして自分にそんな力が、どうして自分だけにそんな力があるのか知りたい。結局、刻印覚醒って何なんだ。刻印って何だよ。
 もし、あの魔物を放って置いたら――?
 そして、そのまま意識は深淵に沈んでいった。

 ◇

 チュンチュンという鳥の囀りが、朝の訪れを耳に届ける。
 瞼を開くと、ぼんやりと見慣れた天井が目に映った。
 気だるげに首を回しながら、真吾は周囲の様子を見る。
 あ……あれ?

「僕の部屋……?」

 パソコンを置いた勉強机、その隣にテレビ台と本棚……全体的にモノトーンで纏められた、見慣れた自分の部屋だ。
 ――ってことは朝か……?
 起抜けで頭がボーっとする。
 今まで何を見ていたのか、思考力の低下したままの頭で真吾は考えた。
 何か変な夢を見ていたような……。

「…………堕児……か」

 そうだ……夢を見てたんだ。昨日の妙な出来事に符合するような……。
 自分が刻印覚醒とかいう能力者で、精液で昨日見たあの生物……堕児は、堕胎――死ぬと。女性の腹の中の堕児を知覚できるだとか、精液で邪気を祓えるだとか……そんな事も、言っていた。
 最後に告げられた言葉は良く聞き取れなかったが、確かに言っていた「女たちを救えるのはおまえだけ」だと。
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