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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第12章 いつもと少し違う朝の日常
「真ちゃんこそ朝っぱらから鼻の下伸ばして、やらしーんだよッ」
「は!?スケッチブック拾ってあげただけだぞ、意味わかんねぇ……」
千佳との言い合いを美奈に見送られながら、2年の教室のあるA塔の3階へ口論(?)を続けながら真吾は向かった。
朝から何だか疲れたな……と、真吾は心で溜息をつく。
別々のクラスである千佳と別れると、真吾は2年B組の教室に入って行った。
◇
珍しく座席に着くなり早々に香椎宏文《かしいひろふみ》が声を掛けてきた。
宏文はゲームを通じて仲良くなった、所謂ゲームフレからのリアルフレンドというやつである。2年のクラス替えで、同じゲームをしているという事柄からゲームフレンド付き合いが始まった宏文との関係だが、今では普通にクラスの友人として付き合いがそれなりに深まっている。
宏文は真吾のようなゲーマーでもオタクでもないが、そういった趣味の人間に偏見で分け隔てしない。
明るくひょうきんで人懐こいので、誰とも仲良くなるタイプの宏文は、人目を強く引くタイプではないが、茶髪に染めていてもチャラく見えない爽やかな雰囲気の持ち主だ。
雰囲気が良いので、人知れず思っている女子がいても不思議に感じない。
そんな宏文だから、真吾もすぐに打ち解ける事ができた。
宏文がいなければ、真吾はクラスで浮いた存在になっていた可能性は否定できない。実際に宏文以外の男子とは、未だ上手く付き合えないでいる。
それに慣れた頃には、クラス替えがまたやってくるのだろう。一人の時間が多かった真吾には、交流にそこまで必死になれない冷めた部分も持っていた。
真吾にとっては何年も繰り返されているルーチンワーク、既に慣れた。
一人を寂しいと感じたのはもう随分と昔だ。慣れてしまえば大した問題にも感じなくなっていたし、それはそれで構わないとも真吾は思う。
「真吾おはよ~、イベントどこまで進んでる?」
宏文は昨日配信されたばかりのイベントの話題を真吾に振ってきた。
昨日の今日ではそんなに進むはずもない――それ以上に昨日は慌しすぎて、スマートフォンを弄る暇が殆どなかった。
いつもの真吾であったら有るまじき事柄だが、今回のイベントは100位以内どころか1000位圏内も怪しいかもと感じていた。
「昨日忙しくて――まだあまり進んでないんだ」
「え~、いつもランカーじゃん?」
「は!?スケッチブック拾ってあげただけだぞ、意味わかんねぇ……」
千佳との言い合いを美奈に見送られながら、2年の教室のあるA塔の3階へ口論(?)を続けながら真吾は向かった。
朝から何だか疲れたな……と、真吾は心で溜息をつく。
別々のクラスである千佳と別れると、真吾は2年B組の教室に入って行った。
◇
珍しく座席に着くなり早々に香椎宏文《かしいひろふみ》が声を掛けてきた。
宏文はゲームを通じて仲良くなった、所謂ゲームフレからのリアルフレンドというやつである。2年のクラス替えで、同じゲームをしているという事柄からゲームフレンド付き合いが始まった宏文との関係だが、今では普通にクラスの友人として付き合いがそれなりに深まっている。
宏文は真吾のようなゲーマーでもオタクでもないが、そういった趣味の人間に偏見で分け隔てしない。
明るくひょうきんで人懐こいので、誰とも仲良くなるタイプの宏文は、人目を強く引くタイプではないが、茶髪に染めていてもチャラく見えない爽やかな雰囲気の持ち主だ。
雰囲気が良いので、人知れず思っている女子がいても不思議に感じない。
そんな宏文だから、真吾もすぐに打ち解ける事ができた。
宏文がいなければ、真吾はクラスで浮いた存在になっていた可能性は否定できない。実際に宏文以外の男子とは、未だ上手く付き合えないでいる。
それに慣れた頃には、クラス替えがまたやってくるのだろう。一人の時間が多かった真吾には、交流にそこまで必死になれない冷めた部分も持っていた。
真吾にとっては何年も繰り返されているルーチンワーク、既に慣れた。
一人を寂しいと感じたのはもう随分と昔だ。慣れてしまえば大した問題にも感じなくなっていたし、それはそれで構わないとも真吾は思う。
「真吾おはよ~、イベントどこまで進んでる?」
宏文は昨日配信されたばかりのイベントの話題を真吾に振ってきた。
昨日の今日ではそんなに進むはずもない――それ以上に昨日は慌しすぎて、スマートフォンを弄る暇が殆どなかった。
いつもの真吾であったら有るまじき事柄だが、今回のイベントは100位以内どころか1000位圏内も怪しいかもと感じていた。
「昨日忙しくて――まだあまり進んでないんだ」
「え~、いつもランカーじゃん?」