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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第16章 委員長は責任感が強すぎる
そういう事に鈍感な彩夏は、真吾が邪な気持ちを懐いた事に、全く気がついた様子がなかった。
「君を抱いた時に見た、白い光――あれ……覚えてる?」
「覚えてるわ。私のお腹の辺りが発光したアレでしょ?」
「うん……あれ、僕が覚醒した証みたいなものらしいんだ。夢では、刻印覚醒の第一覚醒だと言われた。その能力は、どうやら僕にしか存在していないらしい……」
彩夏は、疑問を感じているようだ。
だがそれは多分――真吾にも、答える事ができないものだった。
「どうして僕にしか無いのか、委員長は疑問なんだろ?」
彩夏は、おずおずと頷いた。
「僕にも、それはわからない。夢では……僕以外の男の精液は餌で、憑かれた女性を救えるのは僕だけだと、言われた……」
男性の精液が堕児の餌なのだと聞かされた彩夏は、驚き、そして腑に落ちない顔をする。彩夏は、遠慮がちに言った。
「でも――夢、なんでしょう?さっき、そう言ったわよね」
「訝しそうに見んなよ。たかだか夢を簡単に信じるほど、そこまで僕もマヌケじゃない。確信があるんだよ……一つは委員長の精飲だけど、もう一つ……」
次の句を迷うように、真吾は言葉を切った。
表情から察したのか、彩夏は辛抱強く次の言葉を待ってくれた。
「妹だ……」
「妹……さん?」
何の話なのか理解できない彩夏は、眉根を寄せて首を捻った。
真吾は、何とも気まずそうな顔で遠くを見ている。彩夏は真吾の表情の理由がわからず、怪訝な顔をした。
「僕の能力にはね、堕児憑きの女性を知覚できる力もあるんだ」
「女性の中にいる堕児の存在が、わかるって意味?」
彩夏の言葉に、真吾は躊躇うように頷いた。
「妹も……堕児に寄生されたんだよ。美里の下腹部に手を当てたら、黒い靄が立った――」
「え……まさか滝川くん――」
凍りついたような彩夏の視線を、真吾は感じた。
彩夏の方を見る事ができない。何ともきまりの悪い表情で、真吾は今も遠くを眺め続ける。
これを聞けば、彩夏も流石に軽蔑するかな……真吾は苦々しい顔で、話すのを躊躇うように逡巡した。
しかし軽蔑されても、彩夏が手を引く気になるのであれば、それはそれで構わないのではないかとも、真吾は思いなおした。
「君を抱いた時に見た、白い光――あれ……覚えてる?」
「覚えてるわ。私のお腹の辺りが発光したアレでしょ?」
「うん……あれ、僕が覚醒した証みたいなものらしいんだ。夢では、刻印覚醒の第一覚醒だと言われた。その能力は、どうやら僕にしか存在していないらしい……」
彩夏は、疑問を感じているようだ。
だがそれは多分――真吾にも、答える事ができないものだった。
「どうして僕にしか無いのか、委員長は疑問なんだろ?」
彩夏は、おずおずと頷いた。
「僕にも、それはわからない。夢では……僕以外の男の精液は餌で、憑かれた女性を救えるのは僕だけだと、言われた……」
男性の精液が堕児の餌なのだと聞かされた彩夏は、驚き、そして腑に落ちない顔をする。彩夏は、遠慮がちに言った。
「でも――夢、なんでしょう?さっき、そう言ったわよね」
「訝しそうに見んなよ。たかだか夢を簡単に信じるほど、そこまで僕もマヌケじゃない。確信があるんだよ……一つは委員長の精飲だけど、もう一つ……」
次の句を迷うように、真吾は言葉を切った。
表情から察したのか、彩夏は辛抱強く次の言葉を待ってくれた。
「妹だ……」
「妹……さん?」
何の話なのか理解できない彩夏は、眉根を寄せて首を捻った。
真吾は、何とも気まずそうな顔で遠くを見ている。彩夏は真吾の表情の理由がわからず、怪訝な顔をした。
「僕の能力にはね、堕児憑きの女性を知覚できる力もあるんだ」
「女性の中にいる堕児の存在が、わかるって意味?」
彩夏の言葉に、真吾は躊躇うように頷いた。
「妹も……堕児に寄生されたんだよ。美里の下腹部に手を当てたら、黒い靄が立った――」
「え……まさか滝川くん――」
凍りついたような彩夏の視線を、真吾は感じた。
彩夏の方を見る事ができない。何ともきまりの悪い表情で、真吾は今も遠くを眺め続ける。
これを聞けば、彩夏も流石に軽蔑するかな……真吾は苦々しい顔で、話すのを躊躇うように逡巡した。
しかし軽蔑されても、彩夏が手を引く気になるのであれば、それはそれで構わないのではないかとも、真吾は思いなおした。