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身代わりの夜
第14章 熱愛目出し帽
「あああっ、もうだめ……ひあああっ、だめええっ」

 古森に見られていたはずが、いつの間にか、彼に犯されていた。

(ああん……
 山野辺くんに抱かれながら、わたし、古森くんのこと考えてる)

 セックスの最中に別の男に抱かれていると想像する。
 どちらの男にも申し訳ないという意識はあった。

 けれど、いったん浮かんだイメージは拭いがたい。
 悪いと思いつつも、小心な部下が突如として牙を剥くイメージが脳裏を去らない。
 覆面が妄想に拍車をかけ、そんな想像をする背徳感が、性感をいっそう刺激した。

 迫りくるエクスタシーの大波に、なすすべもなく呑み込まれる。

「あっ、あああっ……イ、イクッ……」

 脚がびくん、と跳ねた。
 ぎゅっと足指を曲げてシーツを掴む。
 それでも震えがとまらない。
 M字に立てた両脚が、引きつけを起こしたように何度も震えた。

 驚いたことに、男の動きは継続していた。
 ぶるぶると痙攣する肢体を抱いて、なおも激しく突いてくる。

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