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第16章 おわかれエクスタシー

　奥に突っ込まれる時には、肉の輪を広げられる充実感に陶酔し、
　抜かれる時には、肉ヒダを逆なでされる掻痒感に歯噛みする。
　性感のツボをきっちり突いてくれる動きに、身体じゅうが火と燃えた。

　逞しく躍動する腰の両側で、脚がびくびくと震えた。

　足指でシーツを握りしめる。
　それでも脚の引き攣りをとめられない。
　男の身体を押し上げるように腰が跳ねた。

「だ、だめ……狂っちゃうっ……ひいいっ」

　梨華は首をのけ反らせてあえいだ。

　人並みはずれた弓なり棒は、内側から膀胱をも圧迫するのだろうか。
　切っ先が子宮を打つたびに、下半身が恍惚に弛緩し、おもらしをしてしまいそうになる。

　あわてて尿道を引き締めた。
　男の形がよりいっそうはっきりと感じ取れた。

　容赦のない抽送に、エクスタシーの頂上がぐんぐんと近づいてきた。
　逃れることなど出来そうにない速さだ、
　剛直にえぐられる快感を正面から受け止めるしかない。

　啓太の腰の動きに合わせて、自分でも尻を突き上げた。
　性感が倍加した。

「ああん、イキそう……ああっ、イキそうよ……
　ひいんっ、啓太ああっ！」

「梨華さんっ、ぼくも……もう、もう……うああああっ！」

　切羽つまった男女の声が共鳴する。