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身代わりの夜
第16章 おわかれエクスタシー
「しないよ」

 宙に浮いた尻をあさましく振ったとたん、啓太の腰が動きをとめた。

「え?」

 梨華は泣きそうな顔で青年を見上げた。
 下半身が欲情に疼いていた。
 中途半端な状態で放置される不安に、瞳が泳ぐ。

「亜沙子さんの代わりになんか、しない。
 ぼくは梨華さんとしたいんだ。
 初めての女《ひと》と――素敵な女性と、思いっきりセックスするんだ」

「ああんっ、啓太あああっ」

 両腕を青年の首にまわした。
 啓太も上半身を屈めて、口づけをしてくれた。

 互いの思いを乗せて、舌が狂おしく絡み合う。

 今度こそ、本気の抽送がはじまった。

 肉棹の長さいっぱいに、大きなストロークで出し入れされる。

 肉壺を撹拌されるたびに、ぐちゅん、ぐちゃん、と下品な音がたつ。
 粘りつくような感触の原因は、さっき注がれた精液ばかりではなかった。

 いつの間にか花蜜が溢れていた。
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