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第1章 プロローグ

私は今最愛の男に抱かれている。
それは20歳以上も歳下の男、実の娘よりは5歳上ではある。もっと正直に言うと今私を抱いている彼は実の娘の婚約者なのである。

婚約者というからにはまだ結婚には至っていないが、今時の若い人たちのこと、結婚前であっても秘め事は致しているでしょう。致すなと言う方が無理というものである。

つまりは母娘で同じ男の寵愛を受けていることになる。

実の娘には申し訳ないと思うし、絶対に露見してはならない事である。でもやめることはできない。

なぜ・・、私は彼に抱かれながら、今は亡き彼の父親に抱かれているのだろう。
彼は父親の生き写しのように瓜二つのイケメンである。

なぜこんなことになっているのだろう。

私の人生は他人から見れば輝かしいかも知れない、不幸かも知れない。でも私は幸せな人生だと思う。燃えるような恋もいっぱいした。

でも、許されないこともいっぱいした。
私な家は代々受け継がれる飯谷工業という機械メーカーである。

しかしその飯谷工業は衰退の一途で、一時はメインの売上先である他社に吸収され・・早い話が乗っ取られかけたこともある。

飯谷工業の女社長である私飯谷菜緒子が時には男に体を貢ぐ売婦となり、時にはしたたかに男を利用して必死に飯谷工業という名門の会社を守ってきた物語をこれから描いていこう。