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第14章 愛しい屹立

　口から漏れ続ける情けない声を止めようと、奥歯を噛みしめた。

「いっ……いいっ……いいいンッ……」

　食いしばった歯の間から漏れる声が、まるで喜悦の嬌声に聞こえる。

　美貴の唾液でぬとついた怒張が、暴発寸前で止められたのを抗議するように、目の前でゆらゆらと不満げに揺れている。
　それも霞んで、もう焦点も合わせられない。

（ごめんなさい……ごめんなさい……
　身勝手な美貴を許して……）

　イキそうだった。
　今にもイキそうだった。

　それなのに――

　美貴がアクメの頂に追い上げられるのを覚悟した瞬間、それを察知したかのように、責め具がするりと抜けていったのだ。

「えっ？　えええええっ」

　逃げてゆく絶頂への未練に、美貴は悲鳴を上げた。