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牝獣の哭く夜
第26章 エピローグ/ふたたび
翌日、沼田は会社をやめた。
数日して、諏訪や片桐に撮られた写真やビデオ、東亜設計の図面などが、美貴のマンションに送られてきた。
差出人は分からなかった。
ソレムニティの仕事は立ち消えとなり、美貴は妊娠をまぬがれた。
風のうわさに、諏訪龍彦が脱税で失脚したと聞いた時も、そんなものかと思っただけだった。
八木原と山崎は東亜設計に移籍したものの、諏訪の失脚に伴い、片桐専務と一蓮托生で消えた。
美貴はその年のうちに独立し、今は充実した日々を送っている。
新しく雇い入れた寡黙な青年は、何を考えているかわからないが、頼りになる右腕だった。
〈ビュー・サワムラ〉は順風満帆だ。