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牝獣の哭く夜
第7章 彼女の靴下
豊かな乳肉の平手打ちが、痺れるような快感だった。
まともに相手にもされなかった上司に、ずっと好きだった女に、こんなことが出来るなら、悪魔にでも魂を売る。
沼田にとって、今回の計画を持ちかけられたのは、メフィストフェレスの誘惑に等しかった。
(うおお。美貴さん、すごいよ。気持ちいいよ)
美貴の口惜しげな喘ぎ声を聞きながらこうしているだけで、暴発しそうである。
さきほど、美人上司のフェラをなんとか耐えられたのは、美貴が意識を失っている間にトイレで一発抜いた上、早漏防止スプレーで予防していたためだった。
それでも、沼田の仕事ぶりをねぎらって嫣然と微笑んだあの唇が、こんな臭くて汚いペニスを舐めしゃぶっているのかと思ったら、スプレーで感度が鈍くなっているにもかかわらず、あやうく誤射するところだった。
――沼田さんも、ご苦労さまでした。
宴席での温かい言葉と輝くような笑顔。
その時の、切ない胸のときめきを思い出す。
(俺みたいな男にも、あんな笑顔を見せてくれるんだ)
不細工な顔と豚のような肥満体。
性格も悪く仕事もできない男が、女にもてるわけがない。
恋愛体験は皆無だった。
セックス歴もみじめなもので、これまでの人生で接することができたのは、金で贖った安っぽいソープ嬢だけ。
沼田にとって、沢村美貴はどう足掻いても手の届かない高嶺の花であった。