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逆転満塁ホームラン!
第1章 銀行系の御曹司クン
「俺も六本木で指名してるキャバ嬢から同じ様なの聞いた事は有るわ。一番高いシャンパン10本空けて、そのまま瓶一気を女の子にさせる、とか」
「で、持ち帰って朝起きたら女の子の隣には誰も居ないってやつやろ?」
「まあ、そんな感じ。」
総司はいつまでたっても私を子供扱いする。
私だって彼氏が居た事は有るし、恋愛関連の相談事や愚痴を総司に言うから、それ位の経験が有るのは分かってるはずなのに──。
だけど、この人はこういう話になると、まるでお前は何も知らなくて良いから。と言う様にあんまり詳細を話してくれなくなる。
「そういうのが嫌なんよ。野球は本来、紳士なスポーツであるべきやし女遊びをするなら綺麗に遊ぶべきやもん。」
「今は政治家も有名人も汚い遊び方して、女の子に命綱を握らせすぎやと思う。情けないわあ〜」
またも笑いながら、まるで宥める様に私の頭の上に大きな手のひらを乗せた総司を見上げた。
「それなら、里奈。お前さ、甲子園球場のスタッフになれば?」
「……はい?」
出た、こいつのB型な性格!と喉まで出かかったが、今はそんなタイミングじゃない気がしてなんとか理性で抑えた。
「まだ交流戦も始まってないから何とも言えねえけど、このままいったら多分、ウィングスは広島東洋カープと一位争いをして、阪神は巨人とAランクを競うだろ。」
「まあ、多分ね。」
「昨年は、ウィングスが下剋上で日本シリーズに進出。まあ、ソフトバンクに負けたけど──今年は球団初の日本シリーズ優勝もリーグ優勝も両方狙いにきてることは間違いない。」
「そんなに嫌いなら、お前が甲子園で働いて球場スタッフとして場を盛り上げて阪神がそれを阻止出来る様に動いたらいいんじゃねえの?」
「それって……」
「伝統の一戦が、阪神対巨人じゃなくなったのはいつだ?ウィングスがノリに乗ってきた三年前くらいからだろ、伝統の一戦つーのが阪神対ウィングスになったのは。」
「確かに。」
「でも東京に来るのは嫌だ、と。それなら──甲子園で培ってきた"縁の下の力持ちパワー"発揮して、優勝を阻止したらいいじゃねえか。すげえ簡単な話だべ。」