この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第1章 銀行系の御曹司クン
天草流と柳恭平は92年生まれの今年26歳。
柳は三年連続で沢村賞を獲得している先発ピッチャーで、天草はそれを超える史上初の四年連続トリプルスリーを達成しているウィングス不動の四番。
二人は幼馴染で甲子園の決勝でやりあった仲。
まるで漫画の様な展開だけど、もうひとつ漫画要素がある。それは……
「へえ、意外だな。天草と柳なんて飛び抜けて格好良いじゃん。アイドルでも可笑しくないぜ。」
そう──かなりの男前だ、という点。
韓国と中国で開催されたイケメンだと思う外国人ランキングでは毎年の様に一位が天草で二位に僅差で柳が付いている。
残りの二人はキャッチャーの藤堂翼君と、一番の逢沢芹那君。
これまた共に高卒でプロ入りして94年生まれの24歳。
この二人も柳と天草には敵わないものの、スポーツ選手には勿体ないくらいの顔立ちをしている。
「まあね。でもほら、この前二人でアベルってクラブ行ったの覚えてる?」
「京子ちゃんがチーママの?」
「そう。その京子さんが言うてたやんかあ……【ナイン組はお金を使うから新しいグループのキャバやクラブでは好かれてるけど飲み方が汚いから私らは大嫌いや】って」
「……ああ、確かそんな事言ってたなぁ。ははっ、でもお前はホステスでも無ければ飲まされる側でも無いんだし関係なくね?」
「いやっ、関係は無いけどさ!でもなんか、腹立つやん。お金にモノ言わせてる感じが。」
「まあ、そう言われたら、な。俺は気にならないけど」
「何で?だって、日本の住友東京の御曹司であるアンタは綺麗に飲んで女の子にも優しいのに、アイツ達は自分がイケメンでスポーツ上手いからって、女の子にブスって言ったり飲ませて潰させて無理に抱いたり、最悪やん!!」
シーッと人差し指を自らの口の前に立てた総司の行動を見て思わず現実に返った。
いけないいけない、ここは北新地だ。他にもお客さんが居るんだし、特定の誰かの悪口は良くないだろう。